ホーム読みもの

議事録づくりをAIに任せる前に決める3つのこと

文字起こしと要約は実用の域に入りました。それでも失敗するのは、録音の可否・何を残すか・誰が直すか、を決めていないからです。運用として回すための決めごとを書きます。

読了 約4分 議事録生成AITeams

会議の文字起こしと要約は、この2年でかなり実用的になりました。Teams の会議で録画・文字起こしを有効にすれば、終わったあとに要約が出てきます。

それでも「導入したけど結局手で書いている」という現場があります。原因は精度ではなく、運用の決めごとが抜けていることのほうが多いです。3つあります。

1. 録音していいか、を先に片づける

技術より先に、ここです。

  • 参加者に事前に伝えているか。会議が始まってから「録画します」と言うと、その場では誰も反対できませんが、後から問題になります
  • 社外の人が入る会議はどうするか。取引先が入る会議を無断で録るのは、信頼の問題になります。ルールとして「社外が入る会議は毎回確認する」と決めておきます
  • 人事評価や処遇の話が出る会議は対象外にする。ここを一律で扱うと、必ず事故ります
  • 録画・文字起こしの保存期間を決める。無期限に溜まると、いざというときに全部が開示対象になり得ます

このあたりを1枚のルールにしておくと、以後は迷いません。技術的にできることと、やっていいことは別という当たり前の話ですが、飛ばされやすいところです。

ルールは3行で十分

「①録画する会議は招集時に明記する ②社外が入る会議は毎回口頭で確認する ③録画は◯か月で削除する」。細かい規程を作るより、3行を全員が知っているほうが機能します。

2. 議事録に何を残すか、を決める

これが精度の問題に見えて、実は設計の問題です。

AIに要約させると、「言われたこと」がまんべんなく要約されて返ってきます。でも、後から議事録を読む人が知りたいのは、たいてい3つだけです。

  • 決まったこと
  • 決まらなかったこと(次に決める人と期限)
  • 誰が何をいつまでにやるか

発言の流れは、必要な人が文字起こしを見に行けば足ります。議事録に全部を残そうとすると、長くなり、読まれなくなり、結局手で書き直すことになります。

なので、要約させるときの指示を固定します。

この会議の文字起こしから、次の3点だけを箇条書きで抽出してください。
1. 決まったこと
2. 決まらなかったこと(次に決める人と期限が分かれば併記)
3. 担当者ごとのタスク(担当者名/内容/期限)
発言の要約は不要です。文字起こしに書かれていないことは推測せず、
不明な場合は「不明」と書いてください。

最後の1行が大事です。これが無いと、期限や担当者を自然に補完してきます。議事録で補完されるといちばん困るところです。

3. 誰が、いつ直すか

AIが出したものを、そのまま配ってはいけません。理由は精度以前に、責任の所在です。

  • 決定事項の書き方が微妙に違うと、後で「そういう意味ではなかった」になる
  • 社名・製品名・専門用語は、文字起こしの段階で誤変換されます
  • 発言者の言い間違いを、そのまま決定として拾うことがあります

決めるのはこの3つです。

  • 誰が直すか。会議の主催者が原則。持ち回りにすると必ず滞ります
  • いつまでに出すか。当日中か翌営業日中。ここを決めないと3日後になり、その頃には誰も覚えていません
  • どこに置くか。チャットに貼るのではなく、残る場所(SharePointやチャネルのファイル)に置くTeamsに流した情報が消える問題

直す時間は、慣れれば5分から10分です。ゼロから書けば30分かかっていたものが10分になる、というのがこの仕組みの現実的な効果です。「議事録がいらなくなる」ではありません。


効果を過大に見積もらない

正直に書いておきます。この仕組みで減るのは、書く時間です。

減らないのは、

  • 会議そのものの時間
  • 決まらない会議が決まるようになること
  • 参加者が事前に資料を読んでくること

「議事録が自動化されれば会議が良くなる」わけではありません。会議が良くならないのは、たいてい議題と決めるべきことが事前に共有されていないからで、そちらは別の話です。

ただ、書く時間が減ると、その場で「では決まったことはこの3つですね」と確認して終わる習慣が作りやすくなります。これは副次的ですが、効きます。

まとめ

  • 録音の可否を先に片づける。招集時に明記/社外は毎回確認/保存期間を決める。3行でいい
  • 議事録に残すのは決まったこと・決まらなかったこと・誰が何をいつまでにの3つだけ
  • 要約の指示に「書かれていないことは推測せず、不明と書く」を必ず入れる
  • 主催者が、当日中か翌営業日中に直して、残る場所に置く
  • 減るのは書く時間。会議そのものは良くならない

Copilot をまだ広く配っていない段階なら、Copilot を入れたのに使われない、を防ぐ最初の30日 のほうを先に読んでもらったほうがいいかもしれません。議事録は、最初の5人が効果を体感しやすい使い道のひとつです。

この記事で使うシートを配っています

XLSX

業務棚卸しシート

「どの業務から手をつけるか」を決めるためのシートです。作業を書き出して時間・回数・重要度・判断の有無を埋めると、優先度が自動で並びます。実際の打ち合わせで使っているものをそのまま置いています。

ダウンロード(無料・登録不要)

Excel(.xlsx) / 15 KB ※社内での利用・改変・配布は自由/転載・再配布・販売は不可

読んだうえで「うちの場合はどうか」を話したい方へ

OKD SOFT は、生成AI(Microsoft 365 Copilot / Copilot Studio)と Power Platform を使った業務改善・内製化支援をしています。作って渡して終わりにせず、担当の方が自分で直せる状態までご一緒します。

「何から手をつければいいか分からない」の段階でも大丈夫です。まずは現状をうかがうところから。