「共有フォルダが散らかっていて、どこに何があるか分からない」
これは、整理すれば直る問題に見えて、たいてい直りません。一度きれいにしても、半年で元に戻ります。
理由は単純で、散らかるのは怠慢ではなく、置き場所が決まっていないからです。決まっていなければ、真面目な人ほど「とりあえず自分の分かるところ」に置きます。それが人数分できると、散らかった状態になります。
なので、やることは整理ではなくルールを3つ決めることです。3つ以上作ると守られません。
ルール1:フォルダの階層は「業務 → 年度」で、4階層まで
階層の切り方は、いくつも流儀がありますが、揉めるくらいならこれで固定してしまうのが早いです。
02_請求業務 / 2026年度 / 04月 / 請求書控え
決めるのは2つだけです。
- 第1階層は業務。組織名にしない。 部署名で切ると、組織変更のたびに全部が古くなります。業務名なら残ります
- 深さは4階層まで。 それ以上必要になったら、フォルダを分けるのではなくファイル名で区別します
第1階層に 01_ 02_ と番号を振っておくと、並び順が意図どおりになります。あとから業務が増えたときは 05_ を足せばよく、番号を振り直す必要はありません。
この3つは、作った瞬間から中身が増え続け、二度と減りません。置き場所に迷ったファイルの避難先になるからです。迷うファイルが出たときは、避難先を作らずその場で置き場所を決める。それが1分で決まらないなら、そのファイルはたぶん誰も探しません。
ルール2:ファイル名は「日付_内容_版」
これも1本に決めます。
2026-04-15_請求書_A商事_v2.xlsx
守ってほしいのは3点です。
- 日付は先頭で
2026-04-15形式。20260415でも構いませんが、4月15日や26.4.15は混ぜない。名前順に並べるだけで時系列になるのが目的です - 「最新版」「新」「改訂」を使わない。 次の版が出た瞬間に嘘になります。
v2v3のような通し番号か、日付にします - 人の名前を入れない。
田中修正版は、田中さんが異動した瞬間に意味を失います
ファイル名だけで中身が分かる状態にしておくと、開かずに探せます。開かずに探せることが、探す時間のほとんどを決めています。
ルール3:完了したものは、年度末に「_保管」へ移す
散らかりの正体は、たいてい終わったものが現役の場所に残り続けていることです。
なので、決めるのはこれだけです。
- 各業務フォルダの直下に
_保管を1つ作る - 年度末に、その年度で終わったフォルダを
_保管へ移す - 削除はしない(消す判断は重いので、移すだけにする)
アンダースコアで始めると一覧の先頭か末尾にまとまるので、目に入りにくくなります。消さずに視界から外すのが要点です。
これを年1回やるだけで、現役の場所に残るものが劇的に減ります。年1回なら続きます。月1回にすると続きません。
過去の分は、直さなくていい
ここがいちばん大事かもしれません。
「まず全部整理してから新ルールを始めましょう」とすると、整理が終わらないので永遠に始まりません。
やり方は逆です。
- 今日からの新規ファイルだけ、新ルールで置く
- 過去のものは触らない。
_旧フォルダにまとめて放り込んで、そのまま置いておく - 過去のものを使うときが来たら、そのときだけ新ルールの場所へ移す
半年もすれば、現役で使うものはほぼ新ルール側に移っています。使われないものは、整理する価値もありません。
決めたルールは、フォルダの中に置く
最後にひとつ。ルールは、メールで周知しても3日で忘れられます。
共有フォルダの一番上に 00_フォルダの使い方.txt を置いて、そこに3行だけ書いてください。長いマニュアルは読まれませんが、迷ったときにその場にあるメモは読まれます。
1. 業務 → 年度 の順。4階層まで。「共有」「その他」フォルダは作らない
2. ファイル名は 2026-04-15_内容_v2 の形。「最新版」は使わない
3. 終わったものは年度末に _保管 へ移す(消さない)
まとめ
- 散らかるのは置き場所が決まっていないから。整理ではなくルールを決める
- ルールは3つまで。業務→年度の4階層/日付先頭のファイル名/年度末に _保管 へ移す
- 「共有」「その他」「一時」フォルダを作らない
- 過去の分は直さない。今日からの新規だけ新ルールで置く
- ルールはフォルダの一番上に置く
ここまでやってから、検索なりAIなりを乗せると効きます。順番を逆にすると、散らかったものをそのまま賢く探すことになって、期待した結果になりません(社内問い合わせをCopilotに任せる前に、SharePointの中身でやることがある に書きました)。
この記事で使うシートを配っています
業務棚卸しシート
「どの業務から手をつけるか」を決めるためのシートです。作業を書き出して時間・回数・重要度・判断の有無を埋めると、優先度が自動で並びます。実際の打ち合わせで使っているものをそのまま置いています。
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「何から手をつければいいか分からない」の段階でも大丈夫です。まずは現状をうかがうところから。