ホーム読みもの

会社のスマホとタブレットが、管理できていない

誰が何を持っているか分からず、紛失したときに何もできない。全部を管理しようとすると止まるので、なくしたときに何ができるかを先に用意する順番で書きます。

読了 約5分 端末管理セキュリティひとり情シス
  • 会社のスマホやタブレットを、誰が何台持っているか把握できていない
  • 紛失の連絡が来ても、遠隔で何もできない
  • 私物のスマホで会社のメールを見ている人がいる
  • アプリを勝手に入れられても、分からない

PCは台帳があるのに、スマホは無い。よくある状態です。台数が少なく、個人に貸したきりで済んでいるからですが、なくしたときに何もできないのは、PCより危ないことがあります。

先にやることは、管理ツールの導入ではありません

順番があります。

  1. 今あるものを数える(台帳)
  2. なくしたときに何ができるかを確認する
  3. 足りないところだけ、仕組みを入れる

3番から入ると、「うちにMDMは大げさでは」で止まります。1と2は今週できます。

1. 数える

PCの台帳と同じシートで構いません。スマホ用の列を足すだけです(会社に何台PCがあるか、正確に答えられない)。

管理番号SP-0012
種別スマートフォン
機種iPhone SE(第3世代)
電話番号090-xxxx-xxxx
回線契約◯◯モバイル / 2027-03 まで
使用者営業部 山田
用途顧客訪問・現場写真
状態稼働中

電話番号と回線契約の列は、スマホ特有です。使っていない回線に料金を払い続けているケースが、けっこう見つかります。

2. なくしたときに何ができるか、今すぐ確認する

すでにできることがあります。Microsoft 365 を使っているなら、会社のアカウントでメールやTeamsを使っている端末に対して、次ができる場合があります。

  • その端末から、会社のデータだけを消す(端末の初期化ではなく、会社のアプリとデータのみ)
  • その端末のサインインを止める
  • どの端末がサインインしているかの一覧を見る

まず、自分の端末で一度試してください。「できる」と知っているのと、やったことがあるのでは、緊急時の速さが違います。

アカウント側でできること

端末に手が届かなくても、アカウント側で止められます。

  • パスワードを変更する
  • サインインを取り消す(既にサインイン済みのセッションを切る)
  • 多要素認証が入っていれば、そもそも入られにくい(パスワードだけの運用をやめる

紛失の連絡を受けたら、まずここです。端末の位置を探すより先に、アカウントを止めてください。

「なくしたときの手順」をA4半分で作る
  1. 使用者から情シスへ連絡(連絡先を書く)
  2. アカウントのサインインを取り消し、パスワードを変更
  3. 会社データの遠隔消去を実行
  4. 回線会社に連絡して利用を停止(電話番号と契約者名が要るので、台帳から引く)
  5. 内容によっては警察への届出、報告の判断(判断する人の名前を書く

これを貸与のときに一緒に渡してください。なくした本人が、何をすればいいか分かるようにするためです。

3. 足りないところに、仕組みを入れる

台帳と遠隔消去だけで足りる会社は多いです。次に当てはまるなら、管理の仕組み(MDM / Intune など)を検討してください。

  • 台数が20台を超えた
  • アプリの配布・更新を一括でやりたい
  • パスコードや暗号化を強制したい
  • 私物端末で業務データを扱う(私物と会社データを分けたい
  • 紛失時に端末ごと初期化したい

Microsoft 365 のプランによっては Intune が含まれていることがあります。買う前に契約内容を確認してください(追加費用なしでどこまでできるのか)。

私物の端末をどうするか

いちばん揉めるところです。先に方針を決めてください。

方針内容注意
私物を認めない業務は会社支給の端末のみ端末の費用がかかる
条件付きで認める多要素認証・画面ロック必須、会社データは分離ルールと設定が要る
何も決めていない実際にはこれが多い紛失時に何もできない

3番目がいちばん危ないです。何も決めていない状態は「認めている」ことになります。

条件付きで認める場合、「会社のデータだけを消せる」形にしてください。私物の写真や連絡先まで消える設定だと、本人が同意しませんし、実際に消したときに問題になります。

私物を使ってもらうなら、費用の扱いも決める

通信費の一部を負担するのか、しないのか。決めていないと、あとで不満が出ます。金額の大小より、決まっていることが大事です。

退職・異動のときに回収する

PCと同じで、退職手続きに回収の欄を入れてください。

  • 端末の回収(管理番号:___)
  • 初期化したか
  • 回線の扱い(解約・番号の引き継ぎ)
  • 私物端末から、会社のアカウントを削除してもらったか

最後の1つを忘れると、退職後もメールが見られる状態が残ります。アカウント側で無効にすれば止まりますが、それも手順に入れておいてください退職者のアカウントが残っている)。

貸すときに渡すもの

貸与のときに、次を一緒に渡すと、あとが楽です。

  • なくしたときの手順(上のA4半分)
  • 使ってよい範囲(業務利用のみ、私的利用の可否)
  • アプリを入れてよいか、どこまでか
  • 返却のときの手順

口頭で伝えたことは、忘れられます。紙1枚にして、受領のサインをもらってください。台帳の備考に「貸与日・書面交付済み」と書いておけば、あとから確認できます。

まとめ

  • 順番は、数える → なくしたときに何ができるか確認 → 足りないところに仕組み
  • 台帳はPCと同じシートでよい。電話番号と回線契約の列を足す
  • 使っていない回線に払い続けていないか確認する
  • すでに遠隔消去できる場合がある。一度自分で試しておく
  • 紛失の第一手は端末探しではなく、アカウントのサインイン取り消し
  • なくしたときの手順をA4半分で作り、貸与時に渡す
  • 仕組みを入れるのは20台超・アプリ配布・設定の強制・私物対応あたりから
  • Intune が契約に含まれていないか先に確認
  • 私物は方針を決める。何も決めていない状態がいちばん危ない
  • 私物なら会社データだけを消せる形に。費用の扱いも決める
  • 退職手続きに、回収と私物からのアカウント削除を入れる

まず、会社名義で契約している回線の一覧を出してみてください。台数の把握と、使っていない回線の発見が同時にできます。

この記事で使うシートを配っています

XLSX

IT資産台帳(PC・ライセンス)

会社にある端末とライセンスを1枚に並べる台帳です。サポート期限が切れている行と、1年以内に切れる行に自動で色が付きます。ライセンスは割当が契約数を超えると赤くなります。

ダウンロード(無料・登録不要)

Excel(.xlsx) / 22 KB ※社内での利用・改変・配布は自由/転載・再配布・販売は不可

読んだうえで「うちの場合はどうか」を話したい方へ

OKD SOFT は、生成AI(Microsoft 365 Copilot / Copilot Studio)と Power Platform を使った業務改善・内製化支援をしています。作って渡して終わりにせず、担当の方が自分で直せる状態までご一緒します。

「何から手をつければいいか分からない」の段階でも大丈夫です。まずは現状をうかがうところから。