- 会社のスマホやタブレットを、誰が何台持っているか把握できていない
- 紛失の連絡が来ても、遠隔で何もできない
- 私物のスマホで会社のメールを見ている人がいる
- アプリを勝手に入れられても、分からない
PCは台帳があるのに、スマホは無い。よくある状態です。台数が少なく、個人に貸したきりで済んでいるからですが、なくしたときに何もできないのは、PCより危ないことがあります。
先にやることは、管理ツールの導入ではありません
順番があります。
- 今あるものを数える(台帳)
- なくしたときに何ができるかを確認する
- 足りないところだけ、仕組みを入れる
3番から入ると、「うちにMDMは大げさでは」で止まります。1と2は今週できます。
1. 数える
PCの台帳と同じシートで構いません。スマホ用の列を足すだけです(会社に何台PCがあるか、正確に答えられない)。
| 列 | 例 |
|---|---|
| 管理番号 | SP-0012 |
| 種別 | スマートフォン |
| 機種 | iPhone SE(第3世代) |
| 電話番号 | 090-xxxx-xxxx |
| 回線契約 | ◯◯モバイル / 2027-03 まで |
| 使用者 | 営業部 山田 |
| 用途 | 顧客訪問・現場写真 |
| 状態 | 稼働中 |
電話番号と回線契約の列は、スマホ特有です。使っていない回線に料金を払い続けているケースが、けっこう見つかります。
2. なくしたときに何ができるか、今すぐ確認する
すでにできることがあります。Microsoft 365 を使っているなら、会社のアカウントでメールやTeamsを使っている端末に対して、次ができる場合があります。
- その端末から、会社のデータだけを消す(端末の初期化ではなく、会社のアプリとデータのみ)
- その端末のサインインを止める
- どの端末がサインインしているかの一覧を見る
まず、自分の端末で一度試してください。「できる」と知っているのと、やったことがあるのでは、緊急時の速さが違います。
アカウント側でできること
端末に手が届かなくても、アカウント側で止められます。
- パスワードを変更する
- サインインを取り消す(既にサインイン済みのセッションを切る)
- 多要素認証が入っていれば、そもそも入られにくい(パスワードだけの運用をやめる)
紛失の連絡を受けたら、まずここです。端末の位置を探すより先に、アカウントを止めてください。
- 使用者から情シスへ連絡(連絡先を書く)
- アカウントのサインインを取り消し、パスワードを変更
- 会社データの遠隔消去を実行
- 回線会社に連絡して利用を停止(電話番号と契約者名が要るので、台帳から引く)
- 内容によっては警察への届出、報告の判断(判断する人の名前を書く)
これを貸与のときに一緒に渡してください。なくした本人が、何をすればいいか分かるようにするためです。
3. 足りないところに、仕組みを入れる
台帳と遠隔消去だけで足りる会社は多いです。次に当てはまるなら、管理の仕組み(MDM / Intune など)を検討してください。
- 台数が20台を超えた
- アプリの配布・更新を一括でやりたい
- パスコードや暗号化を強制したい
- 私物端末で業務データを扱う(私物と会社データを分けたい)
- 紛失時に端末ごと初期化したい
Microsoft 365 のプランによっては Intune が含まれていることがあります。買う前に契約内容を確認してください(追加費用なしでどこまでできるのか)。
私物の端末をどうするか
いちばん揉めるところです。先に方針を決めてください。
| 方針 | 内容 | 注意 |
|---|---|---|
| 私物を認めない | 業務は会社支給の端末のみ | 端末の費用がかかる |
| 条件付きで認める | 多要素認証・画面ロック必須、会社データは分離 | ルールと設定が要る |
| 何も決めていない | 実際にはこれが多い | 紛失時に何もできない |
3番目がいちばん危ないです。何も決めていない状態は「認めている」ことになります。
条件付きで認める場合、「会社のデータだけを消せる」形にしてください。私物の写真や連絡先まで消える設定だと、本人が同意しませんし、実際に消したときに問題になります。
通信費の一部を負担するのか、しないのか。決めていないと、あとで不満が出ます。金額の大小より、決まっていることが大事です。
退職・異動のときに回収する
PCと同じで、退職手続きに回収の欄を入れてください。
- 端末の回収(管理番号:___)
- 初期化したか
- 回線の扱い(解約・番号の引き継ぎ)
- 私物端末から、会社のアカウントを削除してもらったか
最後の1つを忘れると、退職後もメールが見られる状態が残ります。アカウント側で無効にすれば止まりますが、それも手順に入れておいてください(退職者のアカウントが残っている)。
貸すときに渡すもの
貸与のときに、次を一緒に渡すと、あとが楽です。
- なくしたときの手順(上のA4半分)
- 使ってよい範囲(業務利用のみ、私的利用の可否)
- アプリを入れてよいか、どこまでか
- 返却のときの手順
口頭で伝えたことは、忘れられます。紙1枚にして、受領のサインをもらってください。台帳の備考に「貸与日・書面交付済み」と書いておけば、あとから確認できます。
まとめ
- 順番は、数える → なくしたときに何ができるか確認 → 足りないところに仕組み
- 台帳はPCと同じシートでよい。電話番号と回線契約の列を足す
- 使っていない回線に払い続けていないか確認する
- すでに遠隔消去できる場合がある。一度自分で試しておく
- 紛失の第一手は端末探しではなく、アカウントのサインイン取り消し
- なくしたときの手順をA4半分で作り、貸与時に渡す
- 仕組みを入れるのは20台超・アプリ配布・設定の強制・私物対応あたりから
- Intune が契約に含まれていないか先に確認
- 私物は方針を決める。何も決めていない状態がいちばん危ない
- 私物なら会社データだけを消せる形に。費用の扱いも決める
- 退職手続きに、回収と私物からのアカウント削除を入れる
まず、会社名義で契約している回線の一覧を出してみてください。台数の把握と、使っていない回線の発見が同時にできます。
この記事で使うシートを配っています
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