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退職者のアカウントが残っている、を仕組みで止める

気づいたら3年前に辞めた人のアカウントが生きている。人事と情シスの間で情報が渡っていないのが原因で、担当者の注意では直りません。渡し方を作る話。

読了 約4分 ひとり情シスアカウント管理業務改善

棚卸しをすると、必ず出てきます。

  • 3年前に辞めた人のアカウントが生きている
  • 退職者が共有フォルダの所有者になっている
  • 誰のものか分からないアカウントが数個ある
  • 退職者のOneDriveに、業務のファイルが残ったままになっている

これは担当者が忘れっぽいから起きるのではありません。人事の情報が情シスに届く仕組みがないから起きます。届いていないものは処理できません。

まず、今どうなっているかを1回だけ数える

仕組みを作る前に、現状を数えます。ここを飛ばすと、対策の優先順位がつきません。

見るのは4つです。

  • 90日以上サインインしていないアカウントの数
  • そのうち、在籍者かどうか判別できないものの数
  • 共有メールボックスや共有フォルダの所有者が退職者になっているもの
  • 外部共有リンクが残っているもの(社外に公開されたままのファイル)

数えると、たいてい思ったより多いです。そしてこの数字は、予算や協力を取りにいくときの材料になります。「なんとなく危ない」より「90日未使用が37件あります」のほうが動きます。

いきなり消さない

未使用アカウントを見つけても、その場で削除しないこと。まだ使われている共有アカウント、システム連携用のアカウント、休職中の人のものが混ざっています。まず「無効化」して、1〜3か月様子を見てから削除する。困る人がいれば、その期間に必ず声が上がります。

人事から情報が来る経路を作る

本題です。仕組みといっても、大掛かりなものは要りません。

最低限これだけあれば回ります。

  • 人事(あるいは総務)が、入社・異動・退職の予定を1つの表に入れる
  • 項目は、氏名・所属・区分(入社/異動/退職)・発生日、の4つ
  • 情シスは、その表を見て処理する

置き場所は SharePoint リストで十分です。人事側の負担は、月に数件なら数分です。

そのうえで、通知を自動にします。

  • 退職日の7日前に情シスへ通知(準備できるように)
  • 退職日当日に、処理すべきことのチェックリストが情シスに届く
  • 処理が終わったら、リストの状態を「完了」にする

これで、「聞いていなかった」が構造的になくなります。

退職時にやることを、チェックリストにする

その場で考えると必ず漏れます。1枚にしておきます。

項目補足
アカウントの無効化削除ではなく、まず無効化
メールの転送設定上長か後任へ。期間を決める(3か月など)
共有メールボックスの権限を外す
OneDrive のファイル業務のものは後任へ移す。期限が来ると消えることがある
共有フォルダ・サイトの所有者退職者が所有者なら、付け替える
外部共有リンクその人が発行したものを止める
各種SaaSのアカウント情シス管轄外のものも含めて、一覧を持っておく
貸与端末・持ち出し機器総務と分担
ライセンス剥がすと費用が下がる。ここは経理も喜ぶ

最後の1行を入れておくのがコツです。「費用が下がる」が入っていると、この仕組みの話が通りやすくなります。

OneDrive のファイルは、いちばん見落とされる

意外と重いのがここです。

退職者の OneDrive には、業務のファイルがかなり残っています。そしてアカウントを削除すると、一定期間後に消えます。その期間は設定で変えられますが、既定のまま放置していると、気づいたときには無いということが起こり得ます。

なので、退職処理のときに必ず、

  • 後任か上長が中身を確認する期間を取る
  • 業務のものは共有の場所(SharePoint/チーム)へ移す
  • 個人的なものは、本人に持ち出してもらう(在籍中に)

在籍中に片づけてもらうのがいちばん早いです。退職の1か月前に「業務のファイルは共有の場所へ移してください」と伝える運用にしておくと、後の手間がほぼ消えます。

定期の棚卸しは、年2回で十分

仕組みができても、漏れはゼロにはなりません。定期チェックを入れます。

  • 年2回(人事異動の多い4月・10月の直後が向いています)
  • 見るのは、最初に数えた4項目と同じ
  • かかる時間は、慣れれば半日

月1回にすると続きません。年2回なら続きます。続く頻度にすることが、精度より大事です。

まとめ

  • 原因は注意力ではなく、人事から情シスへ情報が渡る経路がないこと
  • まず現状を数える。90日未使用・判別不能・所有者が退職者・外部共有リンク
  • 見つけてもいきなり消さない。無効化して1〜3か月置く
  • 人事が入社/異動/退職を1つの表に入れる。項目は4つ。通知は自動
  • 退職時のチェックリストを1枚作る。ライセンス剥がしも入れる(費用が下がる=話が通る)
  • OneDrive は在籍中に片づけてもらう。退職1か月前に案内する
  • 棚卸しは年2回。続く頻度にする

どこから手をつけるかを一緒に見ることもできます。まずは現状の数字を出すところからでも構いません。

この記事で使うシートを配っています

XLSX

業務棚卸しシート

「どの業務から手をつけるか」を決めるためのシートです。作業を書き出して時間・回数・重要度・判断の有無を埋めると、優先度が自動で並びます。実際の打ち合わせで使っているものをそのまま置いています。

ダウンロード(無料・登録不要)

Excel(.xlsx) / 15 KB ※社内での利用・改変・配布は自由/転載・再配布・販売は不可

読んだうえで「うちの場合はどうか」を話したい方へ

OKD SOFT は、生成AI(Microsoft 365 Copilot / Copilot Studio)と Power Platform を使った業務改善・内製化支援をしています。作って渡して終わりにせず、担当の方が自分で直せる状態までご一緒します。

「何から手をつければいいか分からない」の段階でも大丈夫です。まずは現状をうかがうところから。