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社内のネットワークが遅い、と言われる

回線を太くする前に、どこが遅いのかを切り分けてください。原因が回線だったことは、実はそれほど多くありません。順番に見れば、費用をかけずに直ることがあります。

読了 約5分 トラブル対応ひとり情シス端末管理
  • 「ネットが遅い」と言われるが、どこが原因か分からない
  • 回線を太くする見積りを取ったが、それで直るのか自信がない
  • 特定の場所だけ、Wi-Fiが切れる
  • 時間帯によって遅くなる

回線契約を変える前に、切り分けをしてください。原因が回線だったことは、実はそれほど多くありません。順番に見れば、費用をかけずに直ることがあります。

切り分けの順番

上から順に確認します。下に行くほど費用がかかるので、この順番に意味があります。

1. 誰が、いつ、何をすると遅いのか

「遅い」だけでは動けません。次を聞いてください。

  • 全員か、その人だけか
  • いつもか、特定の時間帯か(朝9時台、昼休み、月末)
  • 何をするときか(ファイルを開く、Teamsの会議、特定のサイト、印刷)
  • 有線か、Wi-Fiか

この4つで、原因の半分は絞れます。

答え疑うところ
その人だけ・いつもその端末(PCの性能、常駐ソフト、ディスク)
全員・特定の時間帯回線の混雑、または誰かが大きい通信をしている
全員・いつも回線か、社内の機器
Wi-Fiのときだけ無線の環境(電波、アクセスポイントの台数)
特定のサイト・サービスだけ相手側、または経路
「遅い」は速度の問題とは限りません

体感の遅さの多くは、PCそのものが遅いことが原因です。特に、ディスクがHDDのままの端末、メモリが4GBの端末、常駐しているセキュリティソフトが重い端末。ネットワークを調べる前に、その端末のタスクマネージャーを開いてみてください。CPUやディスクが常時100%なら、回線は関係ありません。

2. 端末を疑う

  • ディスクがHDDか、SSDか(HDDなら、これが最大の原因です)
  • メモリの使用率(起動直後から80%を超えていないか)
  • 起動しているソフトの数
  • Windows Update が動いていないか
  • OSのサポート期限は切れていないか(サポートが切れたPCが社内に残っている

HDDの端末をSSDに替えると、体感が変わります。「ネットが遅い」という申告が、これで消えることが本当にあります。

3. 無線の環境を疑う

Wi-Fiのときだけ遅いなら、ここです。

  • アクセスポイントの台数が足りているか(1台で何十人も接続していないか)
  • 電波が届かない場所がないか(壁、金属、距離)
  • 周りの電波と干渉していないか(近隣の店舗、電子レンジ)
  • 古い規格のまま使っていないか

台数が足りない場合、回線を太くしても直りません。アクセスポイントを増やすほうが安く済むことが多いです。

簡単な確認方法:遅いと言われる場所で、スマホの電波表示とWi-Fiの速度を測ってみてください。事務所の中で場所を変えて数回測ると、どこが弱いかが分かります。

4. 社内の機器を疑う

  • スイッチ(HUB)が古い(100Mbpsのままのものが混ざっていないか)
  • LANケーブルの規格が古い、または傷んでいる
  • ルーター・ファイアウォールの処理が追いついていない

古いHUBが1台挟まっているだけで、その先が全部遅くなります。事務所の島ごとに置かれている小さなHUBは、10年以上前のものが残っていることがあります。現物を見に行ってください。

5. 回線を疑う

ここまで来て、初めて回線です。

  • 契約している速度と、実際に出ている速度
  • 時間帯による変動
  • 上りと下りの両方を測る(クラウドを使う会社では、上りが効きます)

測るのは、同じ場所・同じ時間帯で数日やってください。1回だけの測定では判断できません。

誰かが大きい通信をしている場合

特定の時間だけ全体が遅くなるなら、これを疑います。

  • 大きいファイルの同期(OneDriveの初回同期は重いです)
  • バックアップが業務時間に動いている
  • Windows Update の一斉配信
  • 動画の視聴

バックアップとUpdateは、時間をずらせます。夜間に動かすように設定を変えるだけで、日中が軽くなることがあります。

OneDriveの同期は、設定で軽くできます

全ファイルを端末にダウンロードする設定になっていると、初回と大量更新時に重くなります。「ファイル オンデマンド」を有効にすると、必要なときだけ取りに行く形になります。端末の容量も空きます(ファイルサーバーをやめて、クラウドに移せるか)。

記録を残す

「遅い」の申告は感覚なので、記録がないと改善したかどうかも分かりません。

簡単な表で足ります。

日付 / 場所 / 誰が / 何をしたとき / 有線かWi-Fiか / 測った速度 / 対応したこと

3件も集まると、傾向が見えます。「2階の奥だけ」「月末の午前だけ」のように、原因が絞られます。

回線を変えるときに確認すること

切り分けの結果、本当に回線だった場合。

  • 上りの速度(クラウドを使うなら、ここが効きます)
  • ベストエフォートか、帯域確保型か
  • 社内の機器が、その速度に対応しているか(1Gbpsの回線に、100Mbpsのルーターがつながっていては意味がありません)

3番目を忘れると、回線を替えたのに変わらない、ということが起きます。回線と社内機器はセットで見てください。

まとめ

  • 回線を太くする前に切り分ける。原因が回線だったことは多くない
  • まず誰が・いつ・何をすると・有線かWi-Fiかを聞く
  • 体感の遅さは、PCそのものが遅いことが多い。タスクマネージャーを見る
  • HDDをSSDに替えると、それだけで解決することがある
  • Wi-Fiだけ遅いなら、アクセスポイントの台数と電波
  • 古いHUBが1台挟まっているだけで、その先が遅くなる。現物を見に行く
  • 回線を疑うのは最後。上りと下りを、数日測る
  • バックアップとUpdateの時間をずらすだけで日中が軽くなることがある
  • OneDriveはファイル オンデマンドで軽くなる
  • 申告を表で記録する。3件で傾向が見える
  • 回線を替えるときは、社内の機器が対応しているかも確認する

まず、遅いと言われている端末のタスクマネージャーを開いてみてください。そこで終わることが、けっこうあります。

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