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サポートが切れたPCやソフトが社内に残っている、を片づける

「動いているから」で残っている端末は、たいてい理由があって残っています。全部を一度に入れ替えず、リスクの高い順に外していく進め方と、次の期限に慌てないための台帳。

読了 約5分 ひとり情シス端末管理セキュリティ

サポートが終了した Windows や Office が、社内にまだ残っている。

責める話ではありません。残っているものには、たいてい理由があります。

  • そのPCでしか動かない古いソフトがある(測定器の制御、専用の業務システム)
  • 入れ替えると設定をやり直す必要があり、その手順を知っている人がいない
  • 予算が付かなかった
  • そもそも、どこに何台あるか把握できていない

なので、「全部入れ替えましょう」と言っても進みません。リスクの高い順に外していくのが現実的です。

期限そのものは、必ず一次情報で確認を

Windows や Office のサポート期限は、製品とエディションごとに違い、延長プログラムが用意されることもあります。この記事に日付は書きません(書いた瞬間に古くなるので)。Microsoft のライフサイクル情報で、自社の製品・バージョンを確認してください。ここでは、確認したあとにどう進めるかを書きます。

第1段:何が何台あるかを数える

これをやらずに対策を考えると、必ず抜けます。

数えるのは、この項目です。

項目補足
端末名/資産番号
OSとバージョンビルド番号まで見ると正確
使っている人/設置場所「誰も使っていない」も重要な情報
何に使っているかこれが対策を決める
ネットワークにつながっているかいちばん大事。後述
入れ替えを妨げているもの古いソフト、周辺機器、手順が不明、など

台帳が無いなら、この機会に作ってください。次の期限のときに、また同じ調査をせずに済みます。

第2段:リスクで3段階に分ける

同じ「サポート切れ」でも、危険度はまったく違います。

A. インターネットにつながっていて、人が日常的に使っている最優先。メールを開き、Webを見る端末は、攻撃の入口になります。ここは他を後回しにしてでも先に対処します。

B. 社内ネットワークにはつながっているが、限定的な用途業務システムの端末、共有プリンタの管理用など。優先度は中。

C. ネットワークから切り離されている(スタンドアロン)測定器の制御、古い機械の設定用など。これは、切り離されている限りリスクがかなり下がります。

Cは「入れ替えられないなら、切り離す」という対処が成立します。入れ替えより、切り離すほうが安くて早いことがあります。

第3段:対処を4択で決める

台数が分かって、リスクで並んだら、1台ずつ処遇を決めます。選択肢は4つです。

1. 入れ替えるいちばん素直。ただし予算と手間がかかります。

2. 使うのをやめる数えてみると、誰も使っていない端末が必ず出てきます。電源を抜いて回収するだけで、リスクがゼロになります。いちばん安い対処です。

3. ネットワークから切り離して使い続ける古いソフトや機器のために残す場合。切り離すときに決めること:

  • データの受け渡しをどうするか(USBメモリを使うなら、その扱いのルールも)
  • バックアップをどう取るか(そのPCが壊れたら業務が止まるなら、なおさら重要)
  • その端末が壊れたときにどうするか(代替機を確保しておくか、業務をどうするか

4. 用途ごと別の仕組みに移す古いソフトに依存しているなら、そのソフトの役目を別の方法に移せないか。ここは時間がかかるので、上の3つで凌ぎながら並行で進めます。

「2」を必ず検討してください。調査すると、想像以上に「もう使っていない」が出ます。

第4段:入れ替えを妨げているものを、一つずつ潰す

残った「入れ替えたいが、できない」端末について、理由を分けます。

古いソフトが動かない

  • 提供元に後継版があるか確認する(サポートが終わっているなら、その事実も記録に残す)
  • 別の製品に置き換えられるか
  • どちらも無理なら、選択肢3(切り離して使い続ける)+代替機の確保

周辺機器のドライバが無い測定器や特殊なプリンタでよくあります。メーカーに確認するのが先ですが、無いことが確定したら、機器の更新時期とセットで計画するほうが現実的です。

設定の手順が分からないこれは今なら潰せます。動いているうちに、設定内容を書き起こしてください。壊れてから調べるのは、はるかに大変です。書くのは画面写真と5ステップ程度で十分です。

予算が付かない台数とリスクを数字にして出すのがいちばん効きます。「サポート切れが12台、うちインターネットにつながっているものが5台」——この形にすると話が通りやすくなります。なんとなく危ない、では通りません。

第5段:次の期限に、慌てないようにする

いちばん大事なのがここです。今回だけ乗り切っても、数年後に同じことが起きます。

やることは単純で、台帳に「サポート期限」の列を1つ足すだけです。

  • 端末ごとに、OSとOfficeの期限を書いておく
  • 年2回の棚卸しのときに、1年以内に期限が来るものを拾う退職者のアカウント の棚卸しと同じタイミングでよい)
  • 拾ったものを、翌年度の予算に載せる

1年前に分かっていれば、予算に載せられます。期限の3か月前に気づくから、毎回慌てるのです。

端末を処分するときに、忘れがちなこと

入れ替えた古い端末の処分です。

  • データの消去(ごみ箱を空にするだけでは消えていません)
  • ライセンスの扱い(そのPCに紐づいているものが無いか)
  • 資産台帳から消す(消さないと、次の棚卸しで幽霊が出ます)
  • 業者に渡すなら、消去証明を受け取るかを決めておく

処分は最後の工程なので、忘れられやすいところです。入れ替えの手順に最初から組み込んでおくのが確実です。

まとめ

  • 残っているものには理由がある。全部入れ替える計画は進まない
  • まず何が何台あるかを数える。「何に使っているか」と「ネットワークにつながっているか」が対策を決める
  • リスクは3段階。ネットにつながって日常使用が最優先。切り離されているものは優先度が下がる
  • 処遇は4択。入れ替える/やめる/切り離して使う/用途ごと移す
  • 「もう使っていない」が必ず出る。電源を抜いて回収するのがいちばん安い対処
  • 動いているうちに設定手順を書き起こす
  • 予算は「サポート切れ12台、うちネット接続5台」の形で出すと通りやすい
  • 台帳に期限の列を1つ足す。年2回の棚卸しで、1年以内に来るものを拾う

数えるところからでも構いません。台数が見えると、対処の順番と予算の話は自動的に決まります。

この記事で使うシートを配っています

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