日報や週報の相談は、だいたい2種類に分かれます。
- 集まらない(出す人と出さない人がいて、催促に時間がかかる)
- 集まるが使われない(提出はされているが、誰も読んでいない)
そして、この2つは実は同じ原因から来ています。書く側にも読む側にも、その項目が何の役に立つのか分かっていないことです。
自動化の相談として来ますが、先にやることがあります。
まず、項目を減らす
日報のフォーマットは、足された歴史はあっても、減らされた歴史がないことが多いです。
「以前トラブルがあったから」「あの部長が知りたいと言ったから」で足された項目が、その人が異動したあとも残り続けています。
なので最初にやるのは、各項目について「これを読んで、誰が、何を決めているか」を聞くことです。
- 決めている人がいる → 残す
- 誰も決めていない → 消す
- 「一応見ています」→ 消す(見ているだけの項目は、読まれていない項目です)
これをやると、たいてい半分以下になります。 半分になると提出率は上がります。書くのが早くなるからです。
いきなり消さずに「3ヶ月試しに外してみて、困ったら戻す」と決めて外します。戻ってきたことは、私の見た範囲ではほとんどありません。
「何をしたか」ではなく「何が引っかかっているか」を聞く
残った項目のうち、たいてい価値が低いのが作業の記録です。
「A社訪問、B案件の資料作成」——これを読んで上司が何かを決めることは、あまりありません。勤怠管理や工数管理が目的なら別ですが、それは日報ではなく別の仕組みの仕事です。
読まれる日報には、代わりにこれが入っています。
- 止まっていること(誰かに動いてもらわないと進まないこと)
- 想定と違ったこと(数字でも、相手の反応でも)
- 助けてほしいこと
つまり、上司が動くきっかけになる情報です。ここが入っていると、読む側に読む理由ができます。読まれるようになると、書く側も書く理由ができます。
「今日は特にありません」を選べるようにしておくのも大事です。無理に何か書かせると、埋めるための文章が増えて、また読まれなくなります。
集める形は、いちばん摩擦の少ないところに置く
ここでようやく道具の話です。
提出率を決めるのは、機能ではなく入口までの距離です。
- 毎日ブラウザを開いて、ログインして、フォームを探して入力する → 落ちます
- 毎日使っているTeamsに、リンクが1つ貼ってある → 続きます
現実的なのは、Microsoft Forms で作って、Teams のチャネルにタブとして貼るやり方です。追加費用は要らず、スマートフォンからも同じように入力できます。回答は自動でExcelに溜まります。
そのうえで、催促を自動にします。
- 未提出の人を毎日17時に拾って、本人にだけTeamsで通知する
- 上司には、週1回まとめて未提出者の一覧を送る
毎日全員に一斉通知を送らないこと。出している人にまで催促が届くと、通知そのものが無視されるようになります。
集めたあとを、先に決める
ここを決めずに作ると、「集まるが使われない」に戻ります。
決めるのは3つです。
- 誰が読むか。「全員」は誰も読みません。一次的に読む人を1人決めます
- いつ読むか。毎朝10分、週明けの30分など、時間を決めます
- 読んだあと何をするか。止まっている項目に返信する、それだけで十分です
返信が来る日報は続きます。書いたものに反応がないと、人は3週間で書かなくなります。自動化しても、ここは自動化できません。
まとめ
- 提出率が上がらないのは意識の問題ではなく、項目が多すぎるから。まず半分に減らす
- 各項目について「誰が、何を決めているか」を聞く。決めていないなら消す
- 「何をしたか」より「止まっていること・想定と違ったこと・助けてほしいこと」
- 入口はすでに毎日開いている場所(Teamsのタブ)に置く。追加費用なしで組める
- 催促は未提出の人にだけ。全員一斉は逆効果
- 集めたあと誰がいつ読んで、返信するかを先に決める
道具を入れる前にできることのほうが多い話です。「集めるところは自動化できますが、その前に項目を減らしませんか」と提案することが、実際よくあります。
減らす作業は、資料室の業務棚卸しシートで日報関連の作業を書き出すところから始めると進めやすいです。
この記事で使うシートを配っています
業務棚卸しシート
「どの業務から手をつけるか」を決めるためのシートです。作業を書き出して時間・回数・重要度・判断の有無を埋めると、優先度が自動で並びます。実際の打ち合わせで使っているものをそのまま置いています。
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