「昨日まで動いていたフローが、今朝から動いていません」
原因はいくつかありますが、探す順番を決めておくと早いです。当てずっぽうで直しにいくと時間が溶けます。
上から順に見ていきます。
1. そもそもフローが「オン」か
まずここです。拍子抜けしますが、実際に多い。
- 誰かが編集中に止めた
- 保存に失敗して止まった状態になっていた
- 長期間トリガーが起きないと、自動でオフになることがある(オフにする前に Microsoft からメールが届きます。迷惑メールに入っていることがあるので、そこも見てください)
一覧画面で状態を確認して、オフなら戻す。それで動くならここで終わりです。
2. トリガーが起きているか、アクションが失敗しているか
次に、これを切り分けます。この2つはまったく別の問題で、対処も違います。
実行履歴を開いて、
- 履歴に何も出ていない → トリガーが起きていない(3へ)
- 履歴に赤いエラーが出ている → アクションが失敗している(4へ)
ここを混同すると、正常なアクションをいじり続けることになります。
既定では一定期間(28日程度)で消えます。「先月おかしかった件を調べたい」と思っても、履歴が残っていないことがあります。長く残したいなら、成功/失敗の記録を自分でどこかに書き出しておく必要があります。1日1行でも十分です(RPAを入れて止まる会社の共通点)。
3. トリガーが起きていない場合
よくある原因を、多い順に。
トリガー条件が合っていない「特定のフォルダにファイルが置かれたら」なのに、別のフォルダに置かれている。「件名に【依頼】が含まれたら」なのに、全角と半角が違う。条件を一度外して、無条件で動くか試すのが早い切り分けです。
対象が変わっているSharePointのリスト名が変わった、フォルダが移動した、Formsが作り直された。トリガーは元の場所を見続けているので、静かに何も起きなくなります。
まだ動いていないだけトリガーの種類によっては、変化を定期的に見にいく方式のものがあります。この場合、置いた直後には動きません。数分待つと動くなら、これです。
接続が切れているこれは4とも共通で、次に書きます。
4. 接続(コネクション)を疑う
「昨日まで動いていたのに今日から動かない」の、いちばん多い原因がこれです。
フローは、あなたのアカウントの権限で各サービスにつないでいます。その接続が切れると止まります。切れる理由は、
- パスワードを変更した
- 多要素認証の再認証が必要になった
- 作った人が退職・異動して、アカウントが無効になった
- 権限が変わって、対象を触れなくなった
接続の一覧を見ると、切れているものに印が付いています。再認証すれば直ります。
3つめが厄介で、これは再認証できません。作り直すか、別のアカウントの接続に差し替える必要があります。だからこそ、誰の接続で動いているかを台帳に書いておく必要があります。
5. エラーメッセージを読む
ここまでで直らなければ、失敗したステップを開いてエラーを読みます。日本語で出ないことも多いですが、パターンは限られています。
| よくあるエラーの中身 | だいたいの原因 |
|---|---|
| 403 / Forbidden | 権限がない。対象のリストやフォルダを触れるか確認 |
| 404 / Not Found | 対象が無い。リスト名・フォルダ・ファイル名が変わっていないか |
| 400 / Bad Request | 渡している値の形が違う。日付や数値に空欄が入っていることが多い |
| 429 / Too Many Requests | 短時間に呼びすぎ。ループの中で毎回呼んでいないか |
| The expression is invalid | 式の書き間違い。括弧の対応を見る |
| unauthorized | 接続切れ(4へ戻る) |
エラー文はそのまま検索してください。同じところで詰まった人の記録が、たいてい見つかります。生成AIに聞くときも、エラー文をそのまま貼るのがいちばん速い聞き方です。
6. 「空欄」を疑う
エラーの中でも特に多いのが、想定していない空欄です。
- 任意項目が空のまま送信された
- 選択肢で「その他」が選ばれて、自由記入が空だった
- 前の月にデータが1件も無かった
人が手で処理していたときは、空欄を見たら飛ばしていました。その判断が、自動化すると無くなります。
対処は、空欄を許す作りにすること。
- 使う前に「空かどうか」を判定する分岐を1つ入れる
- 空なら既定値を入れる、あるいは処理をスキップする
- 空なのに必須なら、エラーにして通知する(黙って0件で終わらせない)
7. 直したあとにやること
原因が分かって直したら、同じことが起きたときに気づける形にしておきます。
- 失敗したときに、業務の担当者本人へ通知が飛ぶか(「管理者」宛だと誰も見ません)
- 手作業に戻す手順が1ページあるか
- 台帳の「最終確認日」を更新したか
3つめは地味ですが、次の担当者が助かります。台帳のひな形は資料室に置いてあります。
まとめ
切り分けの順番。
- フローがオンか
- トリガーが起きていないのか、アクションが失敗しているのか(履歴を見る)
- トリガーが起きていない → 条件/対象が変わっていないか/定期確認方式ではないか
- 接続が切れていないか(「昨日まで動いていた」の最有力)
- エラー文を読む。そのまま検索するのがいちばん速い
- 想定外の空欄を疑う
- 直したら、次に気づける形にしておく
だいたい30分で当たりが付きます。付かないときは、たいてい2の切り分けを飛ばしています。
自分で追いきれないときは、エラーの画面をそのまま見せてもらえれば一緒に見られます。
この記事で使うシートを配っています
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