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システムのデモを見ても判断できない、を抜ける

デモはうまくいく前提で作られています。同じことをやってもらえば差が見えるので、見せてもらう場面をこちらから3つ指定してください。

読了 約4分 発注ツール選定業務改善

複数社のデモを見た。どれも良さそうに見えた。そして選べない。

これは判断力の問題ではありません。デモは、うまくいく道筋だけを通るように作られているからです。悪意ではなく、限られた時間で良さを伝えるには当然そうなります。

だから、同じものを見ている限り差は出ません。こちらから、見せてもらう場面を指定するのが早いです。

指定する場面1:うちのデータを入れたところ

いちばん効きます。

  • 自社の実際のデータ(数十件でいい。個人情報はマスクして)を渡して、取り込んでもらう
  • そのうえで、いつも見ている画面を出してもらう

ここで差がはっきり出ます。

  • 項目が足りない、桁が入らない、選択肢に無い値がある
  • 取り込みに前処理が必要だと言われる(=運用が1つ増える)
  • 「カスタマイズで対応できます」と言われる(=追加費用の可能性)

サンプルデータのデモは、どの製品もきれいに動きます。自社のデータを入れた瞬間に、現実が見えます。

指定する場面2:間違えたときと、例外のとき

デモは成功する道筋しか通りません。だから、失敗させてください。

  • 入力を間違えたときにどうなるか(エラーの出方、直しやすさ)
  • 承認を差し戻すところ(理由を書けるか、前の入力が残るか)
  • 承認者が不在のとき(代理承認ができるか)
  • 締め日を過ぎてから出てきたものをどう扱うか
  • 過去のデータを直したいとき(履歴は残るか、直せる人は誰か)

差し戻しと代理承認は、紙の申請書をやめるとき にも書きましたが、あとから「聞いていない」になりやすい定番です。デモの場で見ておくと確実です。

指定する場面3:管理する側の画面

利用者の画面はどこも作り込まれています。管理者の画面は、そうでもないことがあります。

  • 項目を1つ足すところを、その場でやってもらう(何分かかるか、専門知識が要るか)
  • 選択肢(部署一覧など)を追加するところ
  • 権限を設定するところ
  • データをまとめて取り出すところ(CSVやExcelで出せるか)

最後が重要です。データを出せない製品は、乗り換えるときに詰みます。「出せます」と言われたら、その場で出してもらって中身を見せてもらってください。

そして「項目を足す」を見せてもらうのは、自分たちで直せるかどうかの判定になります。ここでベンダーに依頼が必要なら、毎回費用が発生します。

その場でやってもらうことに意味があります

「できます」と「今やってみせられます」は違います。できると言われた機能は、その場で操作してもらってください。時間の都合で難しければ、後日でも構いません。実際に見せられないものは、要件を詰めていくと「開発が必要」になることがあります。

一緒に確認しておくこと

デモの前後で、これも聞いておくと後が楽です。

項目聞き方
費用の構造初期/月額/人数課金か/データ量で変わるか/サポートは別か
増える人数「あと10人増えたら、いくらになりますか」
やめるときデータはどの形式で返してもらえますか。返却後の削除は?
バージョンアップ勝手に画面が変わりますか。事前に知らされますか
サポート何時から何時まで。返答はどのくらいで来るか
導入の期間定着まで含めて何か月か(導入だけの期間ではなく)

「あと10人増えたら」は、費用構造がいちばん分かりやすく出る質問です。人数課金だと、成功して人が増えるほど高くなります。

参考になる人の話の聞き方

「導入事例を見せてください」は、良い事例しか出てきません。聞くならこう聞きます。

  • 同じ規模・同じ業種の会社はありますか
  • その会社で、導入後に苦労した点は何でしたか
  • やめた会社はありますか。理由は聞いていますか

3つめは答えにくい質問ですが、答え方に人柄が出ます。「あります。理由はこうでした」と言える相手のほうが、たいてい信用できます。

デモの前にやっておくこと

最後に、順番の話です。

デモを見る前に、依頼内容を固めておいてください。固まっていない状態でデモを見ると、見た機能に引っ張られて要件が決まってしまいます。

  • 何人が使うか、社外の人は入るか
  • 元データはどこにあるか
  • 承認は何段か。代理承認は要るか
  • いつまでに、なぜその日か
  • 作ったあと、誰が直すか

これは 業務アプリの見積りが読めないのは、たぶん依頼側の準備が足りていない と同じ項目です。資料室に1枚のシートを置いてあるので、埋めてから見に行くと、デモの見え方が変わります。

まとめ

  • デモはうまくいく道筋しか通らない。同じものを見ても差は出ない
  • 指定する場面は3つ。自社データを入れたところ/間違えたときと例外/管理者の画面
  • 管理者の画面では、項目を足す・データをまとめて出すを必ずやってもらう
  • 「できます」ではなく「今やってみせられます」を確認する
  • 費用は「あと10人増えたら」で構造が見える
  • やめた会社の理由を聞く。答え方に人柄が出る
  • そして、デモの前に依頼内容を固める。機能に引っ張られなくなる

比較の観点を整理するところからでも構いません。うちを候補に入れるかどうかとは別に、判断材料は揃えられます。

この記事で使うシートを配っています

XLSX

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Excel(.xlsx) / 10 KB ※社内での利用・改変・配布は自由/転載・再配布・販売は不可

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