- 電話が鳴るたびに作業が止まる
- 同じ質問に何度も答えている
- 対応した内容がどこにも残らないので、次に別の人が受けたときにまた一から
- 「前に聞いたときと言われたことが違う」と言われる
電話そのものを禁止することはできません。社外からもかかってきますし、急ぎのときは電話が最速です。
減らせるのは、かかってくる理由のほうです。順番があります。
第1段:まず1か月、何の電話か数える
いきなり仕組みを作らないでください。何が多いのかが分からないまま作ると、必要ないところを作ります。
やるのは、電話を切ったあとに1行書くだけ。
- 誰から(部署/社外)
- 何の件か(10文字でいい)
- その場で答えられたか
3つめが大事です。その場で答えられた電話=どこかに書いておけば来なかった電話です。
記録の手間は、極限まで減らします。
- 紙に「正」の字でも構いません(種類だけ数える)
- Teams のチャネルに、ひとこと投稿するだけでも構いません
- Forms を作るなら、項目は3つまで
1か月で、たいてい傾向がはっきり出ます。「同じ質問が全体の4割」というのが、よくある結果です。
「ちゃんと記録しよう」として項目を10個にすると、3日で書かなくなります。種類が分かれば十分なので、精度を捨ててください。目的は分析ではなく、次に何をするかを決めることです。
第2段:多いものの答えを、置き場所に書く
多い順に上から10件、答えを書きます。
- 1件1ページ(「よくある質問集」に全部入れない)
- タイトルは、電話で言われる言葉にする
- ×「クライアント証明書導入手順」- ○「社外から社内システムに入れない」
- 手順は5ステップ以内、画面写真は最小限
そして、次に同じ電話が来たら、その場でURLを送ります。「そこに書いてあります」と言えるだけで、2回目からの負荷が変わります。
これは ひとり情シスが最初に手放すべき仕事 と 社内問い合わせをCopilotに任せる前に と同じ話です。AIに答えさせたいなら、この段階が先です。答えが無いところにボットを置いても、答えられません。
第3段:電話がかかってくる前に、答えを届ける
ここまでは「かかってきてから」の話でした。次は、かかってこないようにする段です。
多い質問には、たいていタイミングの傾向があります。
- 月初に集中する(月次の締め処理について)
- 期末に集中する(予算・経費の締切)
- 人事異動の直後に集中する(アカウント、権限、席)
- 新しいシステムを入れた直後に集中する
だとすれば、その直前に案内を出せばいい。
- 月初の3日前に、月次処理の手順のリンクを流す
- 異動の内示が出た週に、権限変更の依頼方法を案内する
先回りして出した案内は、電話を確実に減らします。そして、この配信は自動にできます(毎月同じ日に、決まった宛先へ、決まった文面を送る)。
第4段:入口を用意する(電話以外の選択肢)
電話がいちばん楽だからかけてくる、という面もあります。電話より楽な入口があれば、そちらに移ります。
- Teams のチャネルに「困りごとはここへ」を1つ作る
- そこに、よくある質問へのリンクをピン留めしておく
- 急ぎでないものは、そこに書いてもらう
そのうえで、急ぎは電話でよい、と明示的に決めておく。抜け道を認めておくと、それ以外を守ってもらいやすくなります。
記録を、あとから使える形にしておく
第1段で数えるのは1か月ですが、その後も軽く続ける価値があります。
- 対応した内容を、1行だけ残す(誰から、何の件か、どうしたか)
- 置き場所は、あとで検索できるところ(SharePointリストやTeamsのチャネル)
- 完璧を目指さない。書ける日だけ書けばいい
これがあると、
- 「前に聞いたときと違う」への対処ができる(記録を見れば分かる)
- 引き継ぎのときに、例外の記録がそのまま資料になる(引き継ぎ資料が役に立たないのは、書く時期が遅いから)
- 半年後に「まだ同じ電話が来ているか」を確認できる
書くのは、困ったときと、珍しいときだけで十分です。毎回書こうとすると続きません。
まとめ
- 電話は禁止できない。減らせるのはかかってくる理由
- まず1か月数える。種類だけでいい。「その場で答えられたか」を必ず記録する
- 多い順に10件、1件1ページで答えを書く。タイトルは電話で言われる言葉で
- 質問には時期の傾向がある。その直前に案内を出すと確実に減る
- 電話より楽な入口を1つ作る。ただし急ぎは電話でよいと明示する
- 記録は1行だけ。困ったときと珍しいときだけ書けば十分
AI に答えさせる話は、この後の段階です。順番を逆にすると効きません。
「何が多いのか」を数えるところからでも構いません。1か月分の記録があれば、次の一手はすぐ決まります。
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