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情シスの担当を採用すべきか、外に頼むべきか

兼任のままでは限界だと分かっている。ただ、採用しても定着しないことがあります。どの仕事を誰が持つかを分けてから決めると、判断しやすくなります。

読了 約6分 組織ひとり情シス発注
  • 総務や経理の兼任で情シスをやっていて、もう限界が見えている
  • 採用したいが、何を求人票に書けばいいか分からない
  • 外部に頼むと、何をどこまでやってもらえるのか分からない
  • 一度採用したが、すぐ辞められた

「情シスを1人採る」で解決すると思われがちですが、情シスの仕事は中身がかなり違うものの寄せ集めです。分けずに1人に全部渡すと、採用しても続きません。

まず分けてください。

情シスの仕事を、4つに分ける

種類中身性格
止めない障害対応、バックアップ、更新、アカウント管理毎日発生する。止まると業務が止まる
聞かれる使い方の質問、パスワード忘れ、トラブル相談割り込みで来る。時間が読めない
整える台帳、ルール、セキュリティ、契約の見直し後回しにされる。やらなくても今日は困らない
作る・変える業務改善、新しい仕組みの導入本来いちばん価値がある

兼任でやっていると、上の2つで1日が終わります。下の2つは永久に手つかずになります。

この4つのうち、どれを人に任せたいのかを先に決めてください。それによって、採用すべきか外に頼むべきかが変わります。

どこに時間が消えているか、2週間だけ記録する

上の4分類で、日々の作業がどれに当たるかをメモしてください。「聞かれる」が半分以上なら、採用より先に問い合わせの入口を整理するほうが効きます(電話が鳴り続けて作業にならない)。記録がないまま採用すると、同じ状態がもう1人分増えるだけになります。

採用が向いているもの

「止めない」と「聞かれる」は、社内にいる人のほうが向いています。

  • 割り込みで来るので、その場にいる必要がある
  • 社内の事情(誰が何を使っているか、あの人はこう説明すると伝わる)を知っている必要がある
  • 緊急時にすぐ動ける

逆に言えば、この2つのために採るなら、経験者である必要は必ずしもありません。社内の事情を知っていて、丁寧に対応できる人のほうが向いていることがあります。

採用するときに、決めておくこと

  • 1人にしない工夫(休めない、辞められない状態を作らない)
  • 評価をどうするか(何も起きないのが良い仕事、という職種の評価は難しいです)
  • 成長の道筋(ずっと問い合わせ対応だけだと、辞めます)

3番目が定着の分かれ目です。「作る・変える」の時間を、業務時間の中に確保してください。そこが無いと、伸びる人ほど早く辞めます(内製化が続かない会社と、続く会社の違い)。

外に頼むのが向いているもの

「整える」と「作る・変える」は、外の力を使いやすい領域です。

  • 常時いる必要がない(月に数日でよい)
  • 他社での経験が効く(同じような会社を何社も見ている)
  • 期間を区切れる(台帳を作る、ルールを整える、仕組みを1つ作る)

「止めない」を外に出すこともできます(保守契約、運用委託)。ただし、外に出すほど社内に知識が残らなくなるので、どこまで出すかは意識して決めてください(保守費用が高い。他社に替えたいが替えられない)。

外に頼むときに、決めておくこと

  • 何を頼むか(「情シス業務全般」ではなく、具体的に)
  • どこまでが範囲で、どこからが別料金か
  • 社内の誰が窓口になるか(丸投げにすると、判断が止まります)
  • 成果物として何が残るか(作業だけで、何も残らない契約にしない)

4番目が大事です。やってもらった結果が、台帳・手順書・設定として社内に残る形にしてください。残らないと、契約が切れた時点でゼロに戻ります。

組み合わせるのが現実的です

多くの中小企業では、次の形に落ち着きます。

社内(兼任でも可) … 止めない、聞かれる
 +
外部            … 整える、作る・変える(月に数日、または案件ごと)

社内の人を「何でも屋」にせず、外に出す部分を決める。これで、社内の人の負担が読めるようになり、辞めにくくなります。

求人票に書くこと

採用する場合、中身を具体的に書いてください。「情報システム担当」だけでは、来た人と期待がずれます。

・PC・スマホの貸与と回収、アカウントの発行と停止(月◯件程度)
・社内からの問い合わせ対応(1日◯件程度。内容は使い方の質問が中心)
・Microsoft 365 の運用(テナント管理、権限設定)
・業務改善の企画と実行(業務時間の◯割をここに充てます)

※ サーバーの構築や、プログラムの開発は業務に含みません
※ 情シスは現在1名です。判断に迷うときは◯◯(外部)に相談できる体制があります

「含まないこと」を書くのが効きます。何でもやらされると思われると、応募が減ります。

最後の1行も効きます。1人で全部を背負わされるのではないと分かると、応募のハードルが下がります。

判断の順番

  1. 2週間、時間の使い方を記録する(4分類で)
  2. 「聞かれる」が多いなら、まず入口を整理する(採用の前に効きます)
  3. それでも足りないなら、どの分類のために人が要るのかを決める
  4. 「止めない・聞かれる」なら採用、「整える・作る」なら外部を検討
  5. 採用するなら、業務時間の中に「作る時間」を確保する
  6. 外に頼むなら、成果物が社内に残る形にする

1と2をやらずに3から入ると、採ってもすぐ限界が来ます。

予算の話

採用と外注では、費用の性格が違います。

採用外部
費用年収+社会保険。固定費契約による。変動させやすい
立ち上がり数か月かかる早い
知識の蓄積社内に残る意識しないと残らない
急な離脱辞められると止まる契約を変えれば継続できる

「辞められると止まる」は、採用したあとも残るリスクです。1人体制なら、その人が休めるように、外部と併用しておくほうが安全です。

正直に書いておくこと

私たちは外部として仕事をもらう側なので、「外に頼みましょう」と言うのが立場としては得です。ただ、採用したほうがいい会社はあります。

  • 問い合わせが1日に何件も発生している
  • 現場に行かないと分からない作業が多い
  • 社内に知識を貯めたいという方針がはっきりしている

この場合は、採用が正解だと思います。そのうえで、立ち上がりの期間だけ外部を使う、といった組み合わせにするのが現実的です。

まとめ

  • 情シスの仕事を止めない/聞かれる/整える/作るの4つに分ける
  • 2週間、時間の使い方を記録する。記録なしで採用しない
  • 「聞かれる」が多いなら、採用より先に入口の整理
  • 止めない・聞かれるは社内向き(その場にいる必要がある)
  • 整える・作るは外部を使いやすい(他社での経験が効く)
  • 現実的なのは組み合わせ。社内を何でも屋にしない
  • 求人票には含まないことも書く。1人で背負わない体制も書く
  • 採用するなら、「作る時間」を業務時間の中に確保する。無いと辞める
  • 外に頼むなら、成果物が社内に残る形にする
  • 社内に知識を貯めたい方針なら、採用が正解

まず2週間、何に時間を使っているかを4分類でメモしてみてください。それが無いと、採用も外注も判断できません。

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