- 総務や経理の兼任で情シスをやっていて、もう限界が見えている
- 採用したいが、何を求人票に書けばいいか分からない
- 外部に頼むと、何をどこまでやってもらえるのか分からない
- 一度採用したが、すぐ辞められた
「情シスを1人採る」で解決すると思われがちですが、情シスの仕事は中身がかなり違うものの寄せ集めです。分けずに1人に全部渡すと、採用しても続きません。
まず分けてください。
情シスの仕事を、4つに分ける
| 種類 | 中身 | 性格 |
|---|---|---|
| 止めない | 障害対応、バックアップ、更新、アカウント管理 | 毎日発生する。止まると業務が止まる |
| 聞かれる | 使い方の質問、パスワード忘れ、トラブル相談 | 割り込みで来る。時間が読めない |
| 整える | 台帳、ルール、セキュリティ、契約の見直し | 後回しにされる。やらなくても今日は困らない |
| 作る・変える | 業務改善、新しい仕組みの導入 | 本来いちばん価値がある |
兼任でやっていると、上の2つで1日が終わります。下の2つは永久に手つかずになります。
この4つのうち、どれを人に任せたいのかを先に決めてください。それによって、採用すべきか外に頼むべきかが変わります。
上の4分類で、日々の作業がどれに当たるかをメモしてください。「聞かれる」が半分以上なら、採用より先に問い合わせの入口を整理するほうが効きます(電話が鳴り続けて作業にならない)。記録がないまま採用すると、同じ状態がもう1人分増えるだけになります。
採用が向いているもの
「止めない」と「聞かれる」は、社内にいる人のほうが向いています。
- 割り込みで来るので、その場にいる必要がある
- 社内の事情(誰が何を使っているか、あの人はこう説明すると伝わる)を知っている必要がある
- 緊急時にすぐ動ける
逆に言えば、この2つのために採るなら、経験者である必要は必ずしもありません。社内の事情を知っていて、丁寧に対応できる人のほうが向いていることがあります。
採用するときに、決めておくこと
- 1人にしない工夫(休めない、辞められない状態を作らない)
- 評価をどうするか(何も起きないのが良い仕事、という職種の評価は難しいです)
- 成長の道筋(ずっと問い合わせ対応だけだと、辞めます)
3番目が定着の分かれ目です。「作る・変える」の時間を、業務時間の中に確保してください。そこが無いと、伸びる人ほど早く辞めます(内製化が続かない会社と、続く会社の違い)。
外に頼むのが向いているもの
「整える」と「作る・変える」は、外の力を使いやすい領域です。
- 常時いる必要がない(月に数日でよい)
- 他社での経験が効く(同じような会社を何社も見ている)
- 期間を区切れる(台帳を作る、ルールを整える、仕組みを1つ作る)
「止めない」を外に出すこともできます(保守契約、運用委託)。ただし、外に出すほど社内に知識が残らなくなるので、どこまで出すかは意識して決めてください(保守費用が高い。他社に替えたいが替えられない)。
外に頼むときに、決めておくこと
- 何を頼むか(「情シス業務全般」ではなく、具体的に)
- どこまでが範囲で、どこからが別料金か
- 社内の誰が窓口になるか(丸投げにすると、判断が止まります)
- 成果物として何が残るか(作業だけで、何も残らない契約にしない)
4番目が大事です。やってもらった結果が、台帳・手順書・設定として社内に残る形にしてください。残らないと、契約が切れた時点でゼロに戻ります。
組み合わせるのが現実的です
多くの中小企業では、次の形に落ち着きます。
社内(兼任でも可) … 止めない、聞かれる
+
外部 … 整える、作る・変える(月に数日、または案件ごと)
社内の人を「何でも屋」にせず、外に出す部分を決める。これで、社内の人の負担が読めるようになり、辞めにくくなります。
求人票に書くこと
採用する場合、中身を具体的に書いてください。「情報システム担当」だけでは、来た人と期待がずれます。
・PC・スマホの貸与と回収、アカウントの発行と停止(月◯件程度)
・社内からの問い合わせ対応(1日◯件程度。内容は使い方の質問が中心)
・Microsoft 365 の運用(テナント管理、権限設定)
・業務改善の企画と実行(業務時間の◯割をここに充てます)
※ サーバーの構築や、プログラムの開発は業務に含みません
※ 情シスは現在1名です。判断に迷うときは◯◯(外部)に相談できる体制があります
「含まないこと」を書くのが効きます。何でもやらされると思われると、応募が減ります。
最後の1行も効きます。1人で全部を背負わされるのではないと分かると、応募のハードルが下がります。
判断の順番
- 2週間、時間の使い方を記録する(4分類で)
- 「聞かれる」が多いなら、まず入口を整理する(採用の前に効きます)
- それでも足りないなら、どの分類のために人が要るのかを決める
- 「止めない・聞かれる」なら採用、「整える・作る」なら外部を検討
- 採用するなら、業務時間の中に「作る時間」を確保する
- 外に頼むなら、成果物が社内に残る形にする
1と2をやらずに3から入ると、採ってもすぐ限界が来ます。
予算の話
採用と外注では、費用の性格が違います。
| 採用 | 外部 | |
|---|---|---|
| 費用 | 年収+社会保険。固定費 | 契約による。変動させやすい |
| 立ち上がり | 数か月かかる | 早い |
| 知識の蓄積 | 社内に残る | 意識しないと残らない |
| 急な離脱 | 辞められると止まる | 契約を変えれば継続できる |
「辞められると止まる」は、採用したあとも残るリスクです。1人体制なら、その人が休めるように、外部と併用しておくほうが安全です。
正直に書いておくこと
私たちは外部として仕事をもらう側なので、「外に頼みましょう」と言うのが立場としては得です。ただ、採用したほうがいい会社はあります。
- 問い合わせが1日に何件も発生している
- 現場に行かないと分からない作業が多い
- 社内に知識を貯めたいという方針がはっきりしている
この場合は、採用が正解だと思います。そのうえで、立ち上がりの期間だけ外部を使う、といった組み合わせにするのが現実的です。
まとめ
- 情シスの仕事を止めない/聞かれる/整える/作るの4つに分ける
- 2週間、時間の使い方を記録する。記録なしで採用しない
- 「聞かれる」が多いなら、採用より先に入口の整理
- 止めない・聞かれるは社内向き(その場にいる必要がある)
- 整える・作るは外部を使いやすい(他社での経験が効く)
- 現実的なのは組み合わせ。社内を何でも屋にしない
- 求人票には含まないことも書く。1人で背負わない体制も書く
- 採用するなら、「作る時間」を業務時間の中に確保する。無いと辞める
- 外に頼むなら、成果物が社内に残る形にする
- 社内に知識を貯めたい方針なら、採用が正解
まず2週間、何に時間を使っているかを4分類でメモしてみてください。それが無いと、採用も外注も判断できません。
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