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AIに頼んでも、思った答えが返ってこない

使える人と使えない人の差は、頼み方の差です。才能ではなく手順なので、社内で揃えられます。うまくいく頼み方には共通の型があります。

読了 約4分 生成AI教育業務効率化
  • 使ってみたが、当たり障りのない答えしか返ってこない
  • 一部の社員だけが使いこなしていて、他の人は諦めている
  • 「AIは使えない」で終わってしまい、契約したものが遊んでいる
  • 何度も聞き直すうちに面倒になって、結局自分で書いている

差が出るのは能力ではなく、頼み方です。そして頼み方には型があるので、社内で共有できます。「センスのある人がいる」で終わらせずに、その人が何をしているかを言語化してください。

うまくいかない頼み方の共通点

だいたい、この3つのどれかです。

  1. 前提を書いていない(誰に向けた、何のための文章か)
  2. 短すぎる(「議事録をまとめて」だけ)
  3. 一発で完成させようとしている(返ってきたものを直させていない)

3が一番多いです。1回で終わらせようとして、返ってきたものが違うと「使えない」と判断してしまう。実際には、2〜3往復するのが普通です。

頼み方の型

覚えるのは4つだけです。

1. 立場と読み手を書く

あなたは製造業の総務担当です。
社内向けのお知らせを書いてください。読むのは工場の現場社員です。

読み手を書くと、言葉づかいと長さが変わります。これだけで返ってくるものが変わります。

2. 制約を数字で書く

400字以内。見出しは付けない。専門用語は使わない。

「短く」「分かりやすく」では伝わりません。字数、項目数、行数で指定してください。

3. 材料を全部渡す

以下が元のメモです。
---
(メモをそのまま貼る)
---

要約して渡さないでください。元の材料をそのまま貼るほうが、いい結果になります。手で要約すると、そこで情報が落ちます。

4. 悪い例も見せる

こういう文章は避けてください:
「本件につきましては、鋭意対応してまいる所存です」

避けたいものを1つ見せるのが、いちばん速く伝わります。「硬すぎないように」と書くより効きます。

一発で終わらせない

返ってきたものに対して、こう返します。

  • 「3番目の項目だけ、もっと具体的にしてください」
  • 「全体的に硬いです。社内チャットに貼る文章にしてください」
  • 「この部分の根拠は何ですか」

直させるほうが、最初から完璧に指示するより速いです。最初の指示を作り込むのに10分かけるより、雑に投げて2回直させるほうが、だいたい早く終わります。

「なぜそうしたか」を聞くと、間違いが見つかる

出てきた内容に自信が持てないときは、根拠を聞いてください。事実でないことをもっともらしく書くことがあるので、数字・固有名詞・法令の条文は必ず自分で確認します。聞くと「一般的な例です」と返ってくることがあり、それで判断がつきます。

社内で揃えるなら、まず10個

うまくいった頼み方を、そのまま使える形で共有するのがいちばん効きます。

置き場所は Teams のチャネルでも、SharePointのリストでも構いません。1件につき、これだけ書きます。

項目
何に使うか議事録の要約
そのまま貼る文(実際の指示文)
使うときの注意数字は必ず元資料で確認する

10個あれば十分始まります。よく使う業務から選んでください。

  • 議事録から決定事項と宿題を抜き出す
  • 長いメールを3行にする
  • 社内向けのお知らせを書く
  • Excelの関数を作ってもらう・エラーの原因を聞く
  • 提案書の構成案を出す
  • 断りのメールの文面を整える
使える人に「実況」してもらう

うまく使っている社員に、画面を映しながら10分やってもらうのが最速です。マニュアルを書いてもらうより早く、見た人はその場で真似できます。研修としても軽く、月1回15分で回せます(社内研修で何を教えればいいか)。

向いていない仕事もあります

期待しすぎると失望します。次は不得意です。

  • 正確な計算(桁の多い計算や集計は表計算に任せる)
  • 社内固有の事実(渡していない情報は知りません。Copilot でも、元の文書が整理されていなければ出てきません)
  • 最新の出来事(学習した時点より後のことは知りません)
  • 判断そのもの(材料は出せますが、決めるのは人です)

このうち2番目が大きいです。社内文書の置き場所と名前が整理されていないと、社内の情報を踏まえた回答は出ません(社内問い合わせをAIに任せる前に、SharePointの中身でやることがある)。

効果を測るなら、時間ではなく件数で

「何時間削減できたか」は測りにくく、報告のたびに疑われます。代わりに次を数えてください。

  • 使った人の数(月に1回以上)
  • 共有された頼み方の数
  • やめた作業(下書きを一から書くのをやめた、など具体的なもの)

人数が増えていれば効いています。増えていないなら、頼み方の共有が足りていません(「で、効果は?」に答えられない)。

まとめ

  • 差は能力ではなく頼み方。型があるので社内で揃えられる
  • 型は4つ。立場と読み手/制約を数字で/材料はそのまま貼る/悪い例を見せる
  • 一発で終わらせない。2〜3往復するのが普通
  • 数字・固有名詞・法令は必ず自分で確認する
  • 社内共有はそのまま貼れる文を10個から
  • 使える人に画面を映して10分実況してもらうのが最速
  • 苦手なのは計算・社内固有の事実・最新の出来事・判断
  • 効果は時間ではなく使った人の数で見る

うまくいった指示文を1つ、今日どこかに貼るところからで構いません。10個たまると、社内の空気が変わります。

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