- 使ってみたが、当たり障りのない答えしか返ってこない
- 一部の社員だけが使いこなしていて、他の人は諦めている
- 「AIは使えない」で終わってしまい、契約したものが遊んでいる
- 何度も聞き直すうちに面倒になって、結局自分で書いている
差が出るのは能力ではなく、頼み方です。そして頼み方には型があるので、社内で共有できます。「センスのある人がいる」で終わらせずに、その人が何をしているかを言語化してください。
うまくいかない頼み方の共通点
だいたい、この3つのどれかです。
- 前提を書いていない(誰に向けた、何のための文章か)
- 短すぎる(「議事録をまとめて」だけ)
- 一発で完成させようとしている(返ってきたものを直させていない)
3が一番多いです。1回で終わらせようとして、返ってきたものが違うと「使えない」と判断してしまう。実際には、2〜3往復するのが普通です。
頼み方の型
覚えるのは4つだけです。
1. 立場と読み手を書く
あなたは製造業の総務担当です。
社内向けのお知らせを書いてください。読むのは工場の現場社員です。
読み手を書くと、言葉づかいと長さが変わります。これだけで返ってくるものが変わります。
2. 制約を数字で書く
400字以内。見出しは付けない。専門用語は使わない。
「短く」「分かりやすく」では伝わりません。字数、項目数、行数で指定してください。
3. 材料を全部渡す
以下が元のメモです。
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(メモをそのまま貼る)
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要約して渡さないでください。元の材料をそのまま貼るほうが、いい結果になります。手で要約すると、そこで情報が落ちます。
4. 悪い例も見せる
こういう文章は避けてください:
「本件につきましては、鋭意対応してまいる所存です」
避けたいものを1つ見せるのが、いちばん速く伝わります。「硬すぎないように」と書くより効きます。
一発で終わらせない
返ってきたものに対して、こう返します。
- 「3番目の項目だけ、もっと具体的にしてください」
- 「全体的に硬いです。社内チャットに貼る文章にしてください」
- 「この部分の根拠は何ですか」
直させるほうが、最初から完璧に指示するより速いです。最初の指示を作り込むのに10分かけるより、雑に投げて2回直させるほうが、だいたい早く終わります。
出てきた内容に自信が持てないときは、根拠を聞いてください。事実でないことをもっともらしく書くことがあるので、数字・固有名詞・法令の条文は必ず自分で確認します。聞くと「一般的な例です」と返ってくることがあり、それで判断がつきます。
社内で揃えるなら、まず10個
うまくいった頼み方を、そのまま使える形で共有するのがいちばん効きます。
置き場所は Teams のチャネルでも、SharePointのリストでも構いません。1件につき、これだけ書きます。
| 項目 | 例 |
|---|---|
| 何に使うか | 議事録の要約 |
| そのまま貼る文 | (実際の指示文) |
| 使うときの注意 | 数字は必ず元資料で確認する |
10個あれば十分始まります。よく使う業務から選んでください。
- 議事録から決定事項と宿題を抜き出す
- 長いメールを3行にする
- 社内向けのお知らせを書く
- Excelの関数を作ってもらう・エラーの原因を聞く
- 提案書の構成案を出す
- 断りのメールの文面を整える
うまく使っている社員に、画面を映しながら10分やってもらうのが最速です。マニュアルを書いてもらうより早く、見た人はその場で真似できます。研修としても軽く、月1回15分で回せます(社内研修で何を教えればいいか)。
向いていない仕事もあります
期待しすぎると失望します。次は不得意です。
- 正確な計算(桁の多い計算や集計は表計算に任せる)
- 社内固有の事実(渡していない情報は知りません。Copilot でも、元の文書が整理されていなければ出てきません)
- 最新の出来事(学習した時点より後のことは知りません)
- 判断そのもの(材料は出せますが、決めるのは人です)
このうち2番目が大きいです。社内文書の置き場所と名前が整理されていないと、社内の情報を踏まえた回答は出ません(社内問い合わせをAIに任せる前に、SharePointの中身でやることがある)。
効果を測るなら、時間ではなく件数で
「何時間削減できたか」は測りにくく、報告のたびに疑われます。代わりに次を数えてください。
- 使った人の数(月に1回以上)
- 共有された頼み方の数
- やめた作業(下書きを一から書くのをやめた、など具体的なもの)
人数が増えていれば効いています。増えていないなら、頼み方の共有が足りていません(「で、効果は?」に答えられない)。
まとめ
- 差は能力ではなく頼み方。型があるので社内で揃えられる
- 型は4つ。立場と読み手/制約を数字で/材料はそのまま貼る/悪い例を見せる
- 一発で終わらせない。2〜3往復するのが普通
- 数字・固有名詞・法令は必ず自分で確認する
- 社内共有はそのまま貼れる文を10個から
- 使える人に画面を映して10分実況してもらうのが最速
- 苦手なのは計算・社内固有の事実・最新の出来事・判断
- 効果は時間ではなく使った人の数で見る
うまくいった指示文を1つ、今日どこかに貼るところからで構いません。10個たまると、社内の空気が変わります。
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